更年期障害

更年期から来る不調、婦人科症状（血の道症）に鍼灸治療はたいへん有効です。

他院のことは分かりませんが当院へお越しになる方の大半は女性です。比率はなんと8：2と圧倒的です。男性に比べ、女性はいかに血の巡りの障害による不調が現れやすいか、またそういった症状にとって鍼灸治療がいかに有効な手段であるかがうかがえます。

更年期障害が陳旧化している人の多くは薬剤の長期服用によって極端に身体が弱っていたり、うつや甲状腺の異常といったほかの病気を併発しているケースが往々にしてあります。まずはそちらを優先して改善させなければ症状が良くなっていかない場合があります。

東洋医学の考え方に基づき「腎」の調整を行います。

東洋医学での「腎」とは、現代医学での内臓器の腎臓（じんぞう）単体だけを指すのではなく、それに関わる多くの臓器や器官を巡る生命エネルギーといったニュアンスのものです。

更年期障害の根本原因である卵巣機能の衰え、長期化している方の多くに見られる甲状腺の異常。これらふたつは共に「腎の病」であり、この経絡の調整は必須です。

更年期の症状は女性ホルモンの分泌減少という物理的な現象だけでなく、それに伴う自律神経の乱れが症状を誘発させる最も大きな要因です。そのためもともとの気質や性格に加え仕事や家庭の悩みなどさまざまなストレス因子が大きく関わるため個人差が激しく施術回数を一概に述べられないというのが正直なところです。ですが一応の目安というものはありますので参考になさってください。

大半の方が症状の軽減または現れる症状が減ったと実感されております。変化を感じられなかった２割弱の方では、結果が現れない対処療法や放置によって病気が長引き、鬱（うつ）または甲状腺機能低下を併発しているケースが多くありました。

施術を継続しその後良くなっていかれた方はもちろんいらっしゃいます。

鍼灸はホメオスタシスに働きかけ症状を改善へと導くものです。ホメオスタシスとは気温や湿度など外界の環境が変化しても、体温・血圧・脈拍といった内部の環境を常に一定の状態に保たせようとする脳が自律神経を介して行う自動調整機構のことを言います。ホメオスタシスの働きを無視し症状だけを抑え込んでしまう西洋医学の薬剤ではその反動として副作用があるわけです。お薬の長期服用によってさらに治りにくい状態に陥るケースは実際よくあります。お薬で良い成果が出ないのであれば副作用のない東洋医学での改善を強くお勧めいたします。